2013年8月19日月曜日

冷たい美人と歯クソ菓子

 

コンヤからブルサ行きのバスのチケットを買いに行った。
カウンターの向こうには冷たい感じの美人がいた。


僕が以前、おもに室内で働いていた頃、僕の席の向かいには冷たいかんじの美人が座っていた。

僕と歳は同じくらいなのだが、人との付き合いということでは、義理堅く、常識的な面を持つ人だった。
(ある面では、常識的とは言えないところもあるのだが)

1年ほど同じ職場で働いていたのだが、その間僕が最も多く彼女から言われたのは、
「馬鹿じゃないの」という言葉だと思う。

冷たい美人に、冷たく「馬鹿じゃないの」と言われて、
よろこぶほどのMの才能を残念ながら僕は持っていなかった。

僕は勝手に彼女のことを「世間」の代表ととらえて、
僕の考えは世間とずれているのだろうかと不安になった。

そして、あまり根本的なことは話さないほうがよいのではないだろうか、と思った。

でも、彼女は僕の「馬鹿な」話にもけっこう付き合ってくれた。
世間は優しかった。

カウンターの向こうの美人も、僕のわずかな単語のみのトルコ語に付き合ってくれて、
ていねいに説明してくれた。

(うまくいかないこともあるけれど)
やっぱり世間は冷たく見えて優しい面も持っているのかもしれない。


バスは途中の街をいくつか経由しつつ8時間くらい。
サービスで配られるビスケットを食べながらふと思い出したことがある。

**
鳥取のとある地方では、ビスケットなどの歯に詰まる系のお菓子のことを、「歯クソ菓子(ハクソガシ)」と言う。
(みんながその言葉を使うわけではない)

初めてその言葉を聞いたときは、「なんて下品な言い方だろう」と思った。
同時に、すぐに何のことを言っているのか理解してしまった自分がいた。

ある意味とてもわかりやすい表現かもしれない。
でも、美味しさを損なう言い方でもあると思う。
 
例)「わしゃそげな歯クソ菓子はいらんわ」
**

歯クソ菓子を食べ、車窓を楽しんだり、居眠りしたりしているうちに、ブルサに到着した。

トルコでは、バス代と宿代が思っていたよりもいい値段する。
でも夜行バスという選択肢を使わず日中に移動しているのは、景色を楽しみたいから。

遊牧をする人は、今ではほとんど見られなくなったという。

「ノマドとは歩く人という意味。定住していようが、移動していようが、餌を食べさせるために家畜を連れて歩いている人はノマド」

広々とした景色の中に、そんな人たちを探していた。

一面のひまわり畑
 


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